焼き菓子をマルシェで売る前に知ってほしいこと
焼き菓子をマルシェなどで売ってみたい方へ。
私が実際に経験した失敗から学んだことをお話しします。
これから販売を考えている方のヒントになればうれしいです。
お菓子作りを仕事にしたいです、という方に「何をしたい?」と聞くと
「マルシェで焼き菓子を売りたい」という声をよく聞きます。
本当に焼き菓子が好きでやりたい方ももちろんいます。
でも、マルシェ販売が「ハードルが低い」と思っている方も多いと感じます。
確かに生菓子にくらべたら焼き菓子は作るのが簡単なことが多いです。
食品衛生責任者も一日の講習で取れる、簡単な資格です。
マドレーヌやフィナンシェをマルシェで売ること自体は簡単にできます。
でも「食品を売る」という大切なこと
①買った人の体に入る
でも忘れてはいけないのは「食品」だということ。
キャンドルやドライフラワー、バッグやアクセサリーなどの販売とは全く違います。
食品は人の体に入るもの。責任がとても大きいです。
②無添加だからこそ大変
私たちが作るお菓子には保存料などの添加物は入りません。
それは個人だから、ではなく、私が働いたお店でも同じです。
でもその分、しっかりとした梱包や保管をしていました。
焼き菓子でも腐りやすいものがある
焼き菓子といっても色々です。
クッキーやメレンゲはしっかり水分をとばして焼くので比較的安全。
でもマドレーヌやフィナンシェ、パウンドケーキ、マフィンはしっとりしていて腐りやすいです。
どれくらい日持ちするのか、何が腐る原因か、しっかり知っておかないと事故の元になります。
実際にあった失敗から学んだこと
私は4年前、知り合いの紹介で焼き菓子をまとめて注文いただいたことがありました。
その時期は7月。
「すぐ渡してくださいね」とお願いしました。
でも忙しかったようで一週間以上職場に置いてしまい、最終的にカビが生えてしまいました。
「プレゼントされたけどカビが生えてました。これは食べない方がいいですか」という写真つきのメールが来たとき、本当に申し訳ない気持ちになりました。
原因は、無添加なので日持ちしないということを強調して伝えなかったこと。
コンビニやスーパー、デパートのお菓子には大体保存料が入っています。そのため熱い中でも放置していてもカビは生えません。賞味期限過ぎても生えないかもしれません。大量生産のお菓子との違いを分かっている消費者の方は少ないと思います。
個人のケーキ屋さんの焼き菓子も大体が無添加だと思います。私が働いたお店は全て保存料などは入れていませんでした。でも贈答用に使われることが多い焼き菓子には保存料をいれているケーキ屋さんもあります。食品表示シールをよくみる癖をつけておくといいです。
無添加のお菓子の賞味期限の目安
・フィナンシェやマドレーヌ:涼しい場所なら7日から10日くらい
・クッキー:3週間くらい
でも、これも条件つき。涼しくて、直射日光がなく、湿度が低いところが必要です。
お客さんの保存方法も大事
バターを多く使うお菓子は常温で食べると美味しいです。
でも夏場は冷暗所、もしくは冷蔵庫保存が必要です。
食べる前に30分くらい常温に戻すと美味しいですが、説明しても9割の方はやりません。
だから私は夏には焼き菓子を販売しないと決めました。
お店があれば冷房が効いた場所で販売し、夜は冷蔵庫で保管できます。
でも私のように店舗がない人には夏はとても難しいです。
冷凍便という選択肢
ネット販売で冷凍便を使えば一年中販売できます。
冷凍なら菌の増殖を止められます。
解凍後はすぐ食べてもらうように伝える必要はありますが、安心です。
実際、夏場は焼き菓子のかわりに冷凍便でマカロンを販売しました。
マルシェ販売のおすすめ時期
マルシェの良さはお客さんの顔を見て売れること。
私は11月から4月くらいが一番いいと思います。
それ以外の時期は暑さでお菓子の管理が難しい。
暑い時期はネット販売や教室業など、別の仕事を組み合わせるのがおすすめです。
まとめ:焼き菓子販売だけにしばられないで
マルシェ販売はとても楽しいし、やりがいもあります。
でも「食品を売る」という責任を忘れないでほしいです。
そして季節や管理の問題から、マルシェ販売だけにしばらず、
ネット販売や教室業など、視野を広げて仕事を考えることをおすすめします。
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