身近な乳化例

製菓理論

前回の記事で乳化とは何かということをお話ししました。

今回は皆さんが実際にやっているであろう乳化の例を挙げていきます。

①パウンドケーキやクレームダマンド

バターと卵の乳化です。お菓子作りにおいて様々な工程で必要ですね。

分離したまま焼いてしまうとぼそぼそした生地に仕上がってしまいます。

分離したときは粉を少しまぜるとつながりやすいです。また、分離を防ぐために予め材料の温度を合わせておくことが重要です。

②ガナッシュや生チョコクリーム

チョコレートと生クリームの乳化です。

講座ではフォレノワール、アントルメショコラ、ボンボンショコラで生クリームとチョコレートを合わせます。分離しやすく、扱いづらいので、とても集中しながら作ることが大切です。

乳化させるために一度攪拌はしなければいけないのですが、泡立てたクリームをその中に更に加えるアントルメショコラやフォレノワールは注意が必要です。

生クリームは泡立てすぎると分離しますが、そこにチョコレートという油脂が加わると更に分離しやすくなります。つながっている状態、分離している状態をしっかりと自分で見極めるようになることが大切です。そうなれば、これ以上混ぜたら分離しそうだということが状態で判断できるようになります。悲しいことに、分離は一瞬で起きるのです。

③マヨネーズ

酢、卵黄、油の乳化。

卵黄の中にはレシチンという天然の乳化剤が含まれています。

レシチンは水溶性と脂溶性という反発する2つの性質を繋げてくれる働きがあります。

酢や油をまぜたドレッシングは少したつと分離してしまうのに、卵黄が入っているマヨネーズが分離しないのはこのレシチンのおかげなのです。

④ペペロンチーノ

茹で汁とオリーブオイルの乳化。

オリーブオイルが入ったフライパンにパスタのゆで汁を加えてからよくかき混ぜます。

茹で汁のなかに含まれるデンプンが乳化剤の役割をしてとろみをつけてくれるのです。

乳化することでソースがパスタによく絡むようになります。乳化していないペペロンチーノは油っこいのです。私はイタリアンレストランで昔働いていましたが。ランチ営業前のまかないはパスタなので、まかない担当の料理人がオイルベースのパスタを作る時に「やきそばみたいだ」と先輩料理人に言われているところを目にしました。トマトソースやクリームソースなどのソース系より乳化が必要なオイルベースのパスタのほうが難易度が高いんです。

そうそう、私が以前働いていたレストランの看板商品「アクアパッツア」のソースも乳化させてます。

 

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